ラベル Bike の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル Bike の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2019/03/24

IRONMAN NZ 2019 第5章「Bike Lap2 ~向かい風、同期、時々コーラ~」

ここまではこちらから。
  1. 第1章「出発前」
  2. 第2章「NZの洗礼 ~ムール貝とスマホ~」
  3. 第3章「Swim ~ゴーグルと朝日~」
  4. 第4章「Bike Lap1 ~ジェルとトイレ~」

※この章には写真が一切ありません。想像力を働かせてお読みください。

3月2日(土) 11時40分

2周目往路(90~135km)

2周目に入ると右手にはきれいなタウポ湖。気が付くとSwimのブイはもう既に撤収されている。「2時間たってるとはいえ、仕事が早いなあ」とか、「3時間前に通った時より太陽は遥か高くから燦々と照り付けているなあ」とか,「日本はようやく7時半か。そろそろMKOあたりがトラッカーみてワイワイ楽しんでくれてるのかなあ」とかそんなことを考えながら2周目の街を行く(実際にMKO君がTwitterで騒ぎ始めてくれたのはさらに1時間後でした)。

2周目はほとんど1周目と同じコースなのだが、一部迂回するような部分がある。しかしここが迂回前よりアップダウンを増すレイアウトになっている。やってらんねえ…

100km地点をまたもや身体が主張をし始める「トイレに行かせろ」と。幸い、105km地点のエイドのトイレに寄ることができたので(トイレのタイミング良すぎないか)、再度休憩。トイレ待ちで、日本人の方と一緒になったのでしばし談笑。レース中にこんな状況ができるとは。びっくりしたが、日本語でしゃべれてリラックスすることができた。

トイレを済ませ、歩きながらエイドの品をもらい、さあレッツゴー。
「そういえば、智紀が前にいたなぁ。復路はそれどころじゃなかったけど、それはお互い様だし、まだ追いつける位置にいるんじゃね?」などと考えるとがぜんやる気が出てくる。
丘を下り、平地区間へ。しかしここで異変を感じる。
ん?なんか風強くない???
あれ、1周目の袋も向かい風だったような…。そう、レースの規模がでかすぎて、今までに経験しなかった「レース中に風向きが変わる」という経験をする。ややテンションが下がる。再び、フォームを意識し、サイコンにチラチラ目をやりながら、できるだけaveの数字が落ちないように回す。
2周回目に入った時点で28.5km/hほどだったので、復路で余計な力を使わないためにも、折り返しで27km/h台なら上出来といったところだろう。

僕の性格上、数字と闘っていると時間がさっさと過ぎてくれるのが良い。気づいたら120kmのエイドまで来ていた。あと15kmが勝負。ちなみに智紀はおろか、大典ともすれ違ってない。みんな風辛いんだろうなぁ

そうしているうちに128km地点。対向車線をピンク縁のサングラスを掛け、ずんずん進んでくる大典を発見。向こうもこちらを認識したようで、こちらから声をかけると、大典からまさかの一言
「智紀すぐ前にいるぞ!!」

え、そんなにすぐですか。ちょっとテンションUp。大典にもう一声かけて、さらにスピードを上げる。そしてその時は本当にすぐ来た。130km地点。見覚えのあるバイクジャージ。すぐ抜けそうなスピード差だったので一瞬だけとなりに並んで「トイレ行った?めっちゃリラックスしない?」とかいうしょうもない会話をして、最後に「じゃ、Runでぬかしてくれ」とかいう発言をして抜き去る。

大典との差はこの1周で10kmから15kmへ。智紀との差は5kmから0kmへ。およそ平均速度の差がうかがえる。智紀の方がRunは走れそうな気がするので、復路もぼちぼち差を開いていきたいところだ。そんなことを考えていると2周目も折り返し地点にたどり着いた。

2周目復路(135~180km)

折り返すとあとは帰るだけ。だがしかし、これが長い。今までに取り組んできたショートの距離にしてレース1回分の距離が残っている。そして、なによりもラスト20kmからの2つの丘。あそこまでに脚と体力を残していかなければならない。なおかつ、それで終わりではなく、そのさきにRunという人生2度目のフルマラソンが待ち受けているのだ。

そこで復路の作戦は3つ。
  1. 150kmと165km地点近くにあるエイドでガンガンエネルギーを入れていく
  2. 平地はできるだけ楽して、丘に全力を当てて、残りの下りは足を使わずに下る
  3. 丘手前のトイレに入ってリラックスして丘に挑む
こうでもしないと、丘でぶっ倒れそうな気がしたので笑

もう4度目となる牧場地帯を進むと、エイドにたどり着く。1周目は取り損ねていたのだが、ここと次のエイドではコーラが支給されている。これを取らない手はない。バナナとバーをもらった後、ボトルに入ったコーラをゲット。さっそくコーラを飲むと、
美味いっ
これが死ぬほどうまい。史上最強にうまい。なんだコレ。まあ、コーラなんだけど。炭酸抜けかけてるんだけど。それでもうまい。最高。めっちゃ気分がアガる。「空腹は最高の調味料」とはよく言ったものだ。HP超回復。

コーラ効果でスイスイ進む。160km地点にあったトイレに入る。りらーっくす。
さあ、あと20km。さらに、165km付近のエイドで再度コーラ。やはりうまい。

作戦はうまくいき、丘は1周目ほど苦しくなく越すことができた。しいて言うなら、水かスポドリを捨ててもコーラをBikeフィニッシュまで持っていければもっと楽だったかなと。

丘を越すと1周目と同じくほぼ脚を使わずに街までたどり着くことができた。ここでGarminをチェックすると6時間55分。操作ミスでT1の10分がが入っちゃってるので、Bikeは6時間45分。やはり、2周目の方が遅くはなるけれども7時間切りは何とか達成出来たようだ。街に入って少し漕ぐとトランジエリアに到着。

今度は間違いなく一度だけボタンを押す。
Bike(180km) 6:49:25(26.4km/h)
目標達成である。Swimよりはるかにうれしい。

3月2日(土) 15時20分

Bikeをボランティアの方に預け、T1の時と同様、ギアバッグをもらう。
テントに入り、着替えるため椅子に座る。「はぁ~~~~~~~~」とまるでレースが終わったかのような声が思わず出てしまった。確かに、8時間近く運動し続けているが、まだまだ、これからが本番。

しかし、つかれているのも事実。何度も攣りかけた筋肉をストレッチしたりしながらゆっくり着替える。バイクジャージを脱ぎ、匠から借りた桐の葉のトライスーツを着る。バイクシューズをランシューに履き替え、Runからはゼッケン装着義務があるのでゼッケンベルトをつけて、さあ、準備はできた。用具の準備は。

身体が疲労困憊である。このまま走ってもどっかで攣る気もする。うーん。そんな感じで椅子に座りながら悩んでると、ボランティアのおばちゃんが「水とElectrolyteあるけど飲むかい?(ざっくり和訳)」と聞いてくる。首を思いっきり縦に振る。相当疲れてる感出てるんだろうな笑わざわざテントの外にあるエイドから水とElectrolyteをくれる。水飲むついでにRun用のMag-onを1つ摂取する。

かなりゆっくり休憩していたのだろう。おばちゃんが再び「コーラもあるけど要るかい?(再びざっくり和訳)」と聞いてくる。コーラ!そういえばそんな最高な飲み物があった!再度首をブンブン縦に。コーラを飲み干して、おばちゃんに「Thank you!」と伝え、テントを出る。

テント出るとすぐにエイドがあった(笑)ポテチとチョコを口にする。もうレース中とは思えないが、こんだけ食っとかんと走り切れない気がした。そして、今日4度目のトイレに入る。気持ちを切り替えてRunへのスイッチを入れる。ようやく入った(笑)
トイレを出、トランジエリアを抜けると同時にGarminのボタンを押す。

T2 0:20:01

長っ(笑)さすがに休みすぎたか(笑)
ちなみに後日談だが、大典のお母さんはトラッカーみて俺が靴でもなくしたと思ったらしい。ご心配をおかけしました笑

Runコースにはまだまだ陽が残っていた。

ここまで 08:38:58

2019/03/23

IRONMAN NZ 2019 第4章「Bike Lap1 ~IRONMANジェルとトイレ~」

ここまではこちらから。
  1. 第1章「出発前」
  2. 第2章「NZの洗礼 ~ムール貝とスマホ~」
  3. 第3章「Swim ~ゴーグルと朝日~」

3月2日(土) 8時30分

1周目往路(0~45km)

トランジエリアを出て、Bikeに乗ろうとすると、皆ショートほど急いでいないので、みんなバイクシューズは履いたままトランジ出てきてるし、飛び乗りもしない。もちろん僕も例に漏れずなのでそれ自体はいいのだが、幅2m程の出口でたまられるのはやや面倒。人ごみを縫ってからBikeに乗る。さあ、行くぞKHAN。

スタートしてすぐ。そういえば最近ヘルメット変えた
スタートしてすぐは、宿泊先もある市街地を行く。まずは、(そこまで上がってもないけど)息を整え、体をほぐして、乗車フォームに体を慣らしていこう。と、思ったその時...

カラン、カラン、カラン、カラン、カラン、カラン...

????まさかメカトラ???
嫌な予感がする。一応、パンク修理キットは持ち合わせているが、1年の夏に経験した「Bikeで開始早々パンクしてDNF」が頭によぎる。いや、30万も払ってそれは嫌すぎるでしょ。メカニックカー回ってるらしいけど治すのは自力だし、自分で直せる範疇超してたらそれすなわち死...
とか、考えてるのもアレなので、いったん路肩に止まる。Bikeひっくり返してペダルをぐるぐる。すごい単純な結論に至る。フレームに付けてたパンク修理用のポンプがクランクとぶつかって音が鳴ってた。ポンプの配置を変えて解決。

さあ、再び出発。3kmも行かないうちに上り坂にあたる。こんなところで頑張ってもどうしようもないのだけれども、普通に速度差があるのでホイホイ抜かす。気持ち良いぞコレ。まあちょいきついけど。
上り坂終われば下り坂。漕がずとも35km/hのでるラッキー区間。タイム稼ぐ人はここでもガンガン行くんでしょうが、僕はave.26km/h出てればいいので脚温存のため、DHバーを握り、フォームだけ気を付けて下る。風が気持ち良い。

5kmごとに自動ラップをとってくれているGarminが10kmを知らせる。バイクジャージの背中からMag-onを取り出す。補給戦略はマツコの投稿も参考にしつつ
  • 日本から持ってきたMag-on 8個を10km地点から20kmおきに摂取する(最後30kmは考えてなかった)。
  • 5km毎に、水とスポドリを最低一口ずつは飲む。
  • あとは15km毎にエイドあるから気分でほしいもん食う。
という感じ。ちなみに、Mag-onはトップチューブに貼るとかさばりそうだったのでバイク
ジャージの背中に10個も投入。思ったより重さは気にならなかった。

さらに5km進むとエイドステーション。いらなくなったごみの投げ捨てエリアも兼ねている。ドリンクはボトルごともらう方式。ジェル・バーの類は開封した状態で渡してもらえる親切設計。バナナももらえる。山下さんも言ってたけど、これらを自転車乗りながら(減速はするけど)貰うの、なんだかテンションが上がる。楽しい。
ボトルもらえるの分かっていた僕は、もはや日本からボトルを持っていくことすらせず、最初のエイドで水とスポドリ(レース中には「Electrolyte」と呼ばれていたので電解質であることは確実)を一本ずつもらう。ついでにジェルももらってみる。口にしたその瞬間
濃い…砂糖…( ^ω^)・・・
IRONMANジェルとよばれたそのジェルは僕の口には合わず、1口で捨てた(ごめんなさいね)

行きは追い風だったのと、下り基調(スタート地点400m-最高点500m-折り返し地点330m)であったことも味方してスピードが出る出る。サイコンをチラチラ見ると30km/hは確実に超えている。トータル26km/hを出し、Runに余力を残すためには、一周目の行きで稼げるうちに稼いでおこう。両脇を牧場に囲まれただだっ広いコースをDHポジションを維持してガンガン漕ぐ。

ところどころ牛のアレが臭う。農業用のスプリンクラーから飛び散る水が心地よい。「あぁ、『大自然のなかでレースする』ってこういうことなんだなぁ」とか思いながら漕ぎ進める。いくら漕いでも牧場風景は変わらない。これ2周目きついだろうなぁ。

そんなことを考えながら進むと35kmを通過。おおよそ45kmの片道なのですれ違う人々とは20km程の差。「大典とはSwimで20分差なのでおよそ10km差でBikeスタートしていて、大典のほうが巡航早いだろうから15km程度の開きがあるだろうからそろそろすれ違うかな~」とか「そのあと智紀との差がどれくらいかな~」とかいつも通り暢気なことを考えながら漕ぐ。すると、40kmを過ぎたあたりで大典とすれ違う。「ファイト」と一言声をかけて通過。推定10km差。予想よりやや開いてない。ちょっとBike飛ばしすぎかなと思いつつも進むと、43kmあたりで智紀ともすれ違う。その差推定5km以下。追いつけんじゃね?と思ったが、焦らない。焦らない。

1周目復路(45~90km)

そんなこんなしているうちに折り返しに到達。ようやく1/4が終わった。そして折り返しとともに向かい風を感じる。やっぱりか…
しかし、智紀が捉えられそうな位置にいることにテンションも上がり、頑張る。すると…
ピッキーン
頑張ろうとしたその矢先、50km地点で脚が攣る。思わず止まってしまった。まじか、早くね?と思ったが、レースで漕ぐ距離としてはすでに最長距離を突破している。いつもの調子で進んではいけないということか。少しペースを落とし、帰りは空気抵抗を最小限に抑えることに注力しようと決意。再度漕ぎ始めると今度は尿意がやってくる。水飲み過ぎたのだろうか。まあでも、スタートから3時間たってるし、朝10時だし、当然なのか。とか思ってると、運よくペナルティーボックス併設のトイレ発見。バイクから降り、用を足す。洋式最高。最初は「座ったらその後動けないんじゃね」とか考えていたが、座ることで、尿意・便意はもちろんのこと
  • 脚も落ち着く
  • 心肺も落ち着く(150近くで推移していたのがトイレ出た後は100まで落ちる)
  • 気分も落ち着く
と割といいこと尽くしだった。
トイレ最高!!
完璧リフレッシュしてリスタート。
とは言ったものの、風景はもう見慣れてしまったし、向かい風がつらいことに変わりはない。まだ平地区間なので30km/hをやや切るくらいで回す。
考えることは行きとほぼ同じ。この時点で腹が減り始めてきたので、エイドではバーをもらった。ジェルと違ってこちらは口にあったので、固形物を腹に入れられる安心感を得た。

70kmを過ぎると、行きに45km/hくらいで下った丘が現れる。丘が2つほどあり、後からGarminで確認したところ、10kmの間に150mを上がる区間となっていた。すでに70km漕ぎ、3時間もバイクに乗っている体にこの登りはきつい。思わずギアをインナーに入れる。しかし、これが僕にとっては割とミスで、2つの丘の間の平地区間でアウターに戻すものの、筋肉がついて来ず、平地で20km/hを切るとかいう体たらく。2周目はギア落とさないようにしとこうと決意。…っていうか2周目持つかこれ?

丘を越すと、また10kmをかけて100mを下って市街地へ戻る。登りで脚をやられかけてるので、極力漕がず、空気抵抗を減らす。そんなことをしていても35km/hは出るのだから下りは恐ろしい。市街地が近づくにつれ、コースもまっすぐではなくちょいちょい曲がりも織り交ざってくる。そうして、ようやくTaupoの街に帰ってくる。ここまで3時間10分。
目標の7時間は割と現実的な勝負になりそうだ。2周目でバテれば危ういが、1周目と同じ感じで進めれば、2周目の疲労を考慮しても間に合うだろう。

Bike Lap1(90km弱,手元) 03:10:00
ここまで 04:39:39