2018/05/02

IRONMAN-NZってどういう意味か議論するブログ。第三章スイム編~ロングってたいしたことない??~

 お久しぶりです、菊池です。ここ最近はアタフタしており、すっかり更新が滞ってしまいました・・・やっとこさ時間が作れたので続き書きます!GW中には完結させたい( ;∀;)
・・・

ドカンッ

 スタートの空砲。ビックリするくらい大きな音。いよいよ長旅が始まるのか・・・
なんて余韻に浸っている暇はなかった。何故だろう、急に火がついて僕は無意識にスタートダッシュ&ポジション取りをしていた。
ロングのレースだからできるだけゆったり泳ごうとついさっきまで思っていたのに。気付いたら全力でキックを打って、自らバトルの海へと飛び込んだ。
やっぱりレースとなると心が燃え上がってしまう。さっきまでの浮遊感が嘘のようだった。

 ロングとは言えども人は密集している。右から、左から、海外の方の長い腕から繰り出される強烈なパンチが僕の体へと飛んでくる。
インカレほどひどくはないが、関カレよりは激しい。ここで引いたらドラフティングのチャンスを逃す。
まだ100m近くしか泳いでいないのに、心拍数は結構高い。ビビるな、逃げるな、ロングだって常に攻めるレースを!!前を追った

 500mくらい泳いだだろうか、バトルが落ち着いてきて、5人ほどの集団の最後尾に位置できた。ここで上がった心拍数を落とすことにした。
水中でふと左を見る。するとそこには鼻が高くてすらっとした、明らかに日本人じゃない人が隣で泳いでいる。
あ、国際レースなんだ。アジア人は少数派であり、僕がNZでレースしてる、アイアンマンに出てるということを再認識した。

 スイムコースは直線の折り返し。渡良瀬みたいな感じ。よっぽど変な泳ぎ方をしなければヘッドアップ無くても蛇行せずに泳げる。
できるだけ体力を使いたくなかったので、前の人に全力で信頼を置いて極力ヘッドアップをしないことにした。
海外の、まだ顔も声も見たことない人の、背中を信頼してついていけるような、器の広い人間になれる。それがトライアスロン(笑)
 
 カーフマン後、僕が泳いだのは計三回。朝練一回と、出国直前のスイム練。そして前々日の試泳。
腕力が相当足りていないことが予想される。ということで、入水した手の位置をかなり深くまで持ってきて、水中で掻く距離をできるだけ減らした、
通称「モグラ泳法」(まるでモグラが土を掘るかの如く、腕をぶん回して泳ぐことから命名、ピッチは多少速くなるが腕が疲れにくい)を実践した。
入水位置が深く、重心が頭のほうに寄る為、脚が浮きやすくなるという、陸出身選手にとっては嬉しいおまけ付き。

 全力のスイムドラフティング、モグラ泳法で体力の節約。何も考えないことで距離に飽きを感じない、集中力の節約。これらのお陰もあって、スイムは本当にあっという間に終わった。本当に何も考えていなかったので、スイムのことはほとんど覚えていない・・・

 なんだ、余裕じゃん。スイムを終え、ゆっくりと陸に上がる。瞬間、込み上げてくる吐き気・・・筋肉に疲労感は対して感じなかったがやはり疲れているらしい。思わず吐きそうになった
 トランジエリアまでは400mほど走らなくてはならない。沿道は観客で溢れかえっており、「well done! well done!」と歓声が鳴りやまない。
見ず知らずの僕を全力で応援してくれる現地の人の優しさとノリの良さに感動しながらトランジエリアへ。トランジエリアは巨大テントになっており、男子と女子で分かれている。この中でトランジを行う。入り口ではボランティアの人がバイクシューズなどが入った個人のトランジバックを渡してくれる。
 無事、自分のトランジバックを受け取り、いざトランジ!!

・・・

トランジエリアで水着って脱いでいいのかな。レースで思考能力が低下していた僕は考え始めた。
 ロングでは胸の圧迫感を避けるため、トライスーツは着用せず、
スイム:水着&ウェットスーツ バイク:バイクジャージ ラン:半袖ランパン
という格好でレースをしようと考えていた。よって、スイム→バイクのトランジでは一回全裸にならなくてはならない。
たとえ男性しかいない空間でも、全裸になったらペナルティ喰らうのかな・・・そんなことをずっと考えていた。
アタフタしていたら、心優しいボランティアのおじさんが駆け寄ってきた。
「アイ ウォントトゥー ウェアアウト  マイ ウェア バッド サム ペナルティー 。。。」
何て言えば分からない・・・おじさんもすごく困惑・・・
僕も完全にフリーズ。。。もうペナルティ喰らってもいい、笑われてもいいからおじさんの前で堂々と水着を脱ごうとした。

 その時!おじさんは何かを悟ったのだろうか、にっこりと笑って僕を入口近くの垂れ幕に連れていき、垂れ幕で僕を覆って僕を隠してくれた。
おじさんメッチャカッコいい!!そしてこれでペナルティ回避だぁ( ;∀;)おじさんに感謝して水着からバイクジャージへのトランジを成功させる。
 
 そんなこんなでアタフタしながらも無事トランジを終える。僕がテントを出ようとしたとき、まさかの阿竹が登場!阿竹と言えば生粋のスイマー、
ショートのレースでは僕より2分ほど速くスイムアップする。なのに今日は僕のほうが2分くらい早い!!!めちゃんこうれしい。
 
 あー、これで山添のバイクがなかったら僕のメンタルはガン萎えするんだろうな。。。そんなことを考えながら自分のバイクラックへと向かう。
ピナレロちゃんと1時間ぶりの再会。その隣には、しょんぼりと主人の帰りを待つトレックが・・・
 あれ、もしかして僕。山添先生より先にスイムアップしたのか!人生初だ~!!めちゃんこうれしい(*'∀')
さっきまでの疲労とトランジエリアでの恥ずかしさが一気に吹っ飛んだ。
なーんだ、僕って意外とスイム速いんじゃん。スイム終わったのに全然余裕。ロングって案外たいしたことないじゃん(*´ω`)
浮かれ気分でバイクにまたがり、DHバーを握って戦闘モードでバイクコースへ。へへっ。こんなの余裕だぜと言わんばかりにべた踏みをして市外へ出る。

スイムアップ。 へへッ まだまだ余裕だぜ 





本当の地獄はこれからやってくるとまた知らずに・・・


time 1:02:47 
充電 90%くらい
精神 まだまだ余裕っしょ
取った補給 トランジエリアにてゼリー系飲料(200kcalくらい?)


追伸
更衣室で水着脱いでもペナルティにならないそうです(そのための更衣室なんだから当たり前笑笑)
ちゃんと英会話できるようになって、レース直前にボランティアの方に聞いとけばよかったなぁ

0 件のコメント:

コメントを投稿