2016/03/16

IRONMAN episode2 -ATTACK OF THE HIKINO 比企野のギャグ襲-

3/2

そんなこんなでニュージーランドのオークランドへ到着。


そして、ここが最後の関門。ニュージーランドは独自の生態系を守るために海外からの持ち込みが厳しく、泥の付いた靴や、果物の持ち込みが制限されています。機内では、そのようなものを持っているかどうかをチェックするカードを書き、それを入国検査で渡します。川や海で使ったものも書かなくてはなりません。僕らはウエットスーツも持ってるし、バイクのタイヤやランシューは汚れているし…。

日本と違って愛想のない、強面の審査官にカードを渡す。


(ドキドキ...)


...目を通すとオーケーが出る。よかった、セーフ。

次に、最後の最後の関門、パスポートを見せる。僕の前の日本人は、ガッチリした体格のおじさん審査官に英語でいろいろと聞かれ、戸惑っている。...怖ええ。


僕の番。


僕はそのおじさん審査官を避け、隣のおばさん審査官へ逃げる。何を聞かれるのだろうか、ちゃんと答えられるのだろうか、そもそも相手の言っていることが聞き取れるのか...。


パスポートを渡す。


おばさん審査官、黙ってスタンプを押し、終了。一言もなし。



無言審査で素早く終わる。安藤、比企野、僕は素早く終わり、残りの3人を待つ。何やらやたら時間がかかっている。めちゃくちゃ審査官に話しかけられているコバシととっくんとカズ。長い。何を聞かれていたのかというと、大学で何を勉強しているのかどうか、などいわゆる世間話笑 する必要ないでしょ笑

と、ダラダラと書き連ねてきましたがようやく晴れて入国完了!



お先に入国した3人。残りの3人待ち。

ニュージーは夏。暑い!

南半球のニュージーは現在、夏。日本でいえば9月くらいでしょうか。じめじめとはしていないものの、日差しが強くて気温も暑い。みんなすぐに着ていたヒートテックを脱ぎ、半袖短パンになりました笑


オークランド空港からタウポまでは、ガイドの堀さん夫妻にお世話になります。空港にはzootなどのカバン、バイクケースを持った日本人がちらほらいて、みんなアイアンマンに出るのだと一目で分かった。


オークランドからタウポまでは車でだいたい4時間程度。
車を少し郊外へ走らせると、そこにはすでに牧場と草原が広がっていた。
そして、イメージ通りの牛牛牛牛牛。羊羊羊。
もっと羊が多いかと思っていたが、意外と牛のほうが多かった。某牛丼屋店員のカズ曰く、現在のニュージーでは羊よりも牛のほうが多いらしい。へー(棒)


そして、見てください、この看板。高速じゃないのにこの速度!


100km/hです。
(まあ一面見渡しても牧場しかないから高速みたいなものといえば高速みたいなものか)また、これとは別の標識で80km/hのものがあったのですが、80という数字の下に「KEEP SLOELY」的なことがあって、80km/hでもゆっくりなのかよ...と文化の違いにびびりま  した。


タウポに向かう途中、映画「LORD OF THE RING(ロード・オブ・ザ・リング)」のロケ地となった町に休憩で立ち寄りました。


ホビットの家です。

ロード・オブ・ザ・リングが大好きな僕としては、何かお土産っぽいものがあったら買おうかと思っていましたが、あまりなかったのでちょっと悲しかったです。

さて、ついでにここで昼食を食べようということで、お店を物色。「寿司」と日本語で書かれた日本食レストランなんかもありましたが、せっかくニュージーに来たのだからそれはパス。入ったのは、ベーカリー屋さん(粉クリ的な感じですかね)。

2,3ドルで馬鹿でかいハンバーガーやサンドウィッチが買え、これがアメリカンサイズか!、と一同テンション上がりっぱなし(※アメリカではない)。
僕はハンバーガーとビーフパイと飲み物を購入。全部合わせても6ドルくらいで、このボリュームでこの値段はすごいなぁ、と(それしか言っていない)。

さて、肝心のお味のほうは...?


期待した通り、ボリューム感があって美味しそう!いや~ニュージー最高だぜ。




しかし、




~5分後~




(味濃いなぁ....。)

(胃もたれするわ)

(飽きた)

(※皆の心の声です♡)



おいしいのは最初だけで、半分もいかないうちに味が濃くて飽きました。
僕は半分残して、残りは車に持ち帰って後で食べることにしました。(ただし持ち帰ってもあまり食べたいという気にはならなかった)

しかも、カズのサンドウィッチからてんとう虫が出てくるなど、ニュージーの食への僕らの前評判は下がる一方。思えばこれがニュージーの食の死亡フラグなのであった。



と、その後はひたすらタウポへ移動。
移動のことはだいぶ端折って(実際移動中は牧場と草原と牛と羊しかない)、、、



タウポに到着!!

何やら白い煙が所々で見られたが、それは火山活動が盛んなために発生するものらしい。それを利用した地熱発電や温泉などもあるそうです。
 

さて、タウポで僕らが泊まるのはペンション的なところ。そこへ移動する途中、レンタカーでハイエースを借りる。マニュアルを運転できるのは安藤だけ。よろしくお願いしますm(__)m


僕らが止まるペンションの一帯には、ロングのプロの戸原さんも泊まっていたそうだ(お目にはかかれなかったけれど)


ペンションに着いたら、皆さっそくバイクケースを開け、バイクを組み立てる。壊れていないか心配だったが、皆大丈夫だったようだ。良かった良かった。




そして、この後は買い出しへ。このペンションには2日から7日の朝まで滞在するが、その間の食事は基本的に自炊。
地元のスーパーへ行くと、もうそこはコストコのようだった。日本では、コストコが特別なアメリカンスーパー、という感じだが、海外のスーパーはもう全てがコストコ。まずカートがめちゃくちゃデカイし、値札もデカイ、そして天井まで積み上がった商品。これ、完全にコストコだわ。
ニュージーといったら肉だろ!、と肉を買う。でかいビーフが3枚入りで10ドル。さすが海外仕様。さらに牛乳も買おうとすると、、、うっ、、、このどぎつい色。これはノーサンキューで。


なぜ海外の食品はけばけばしい色合いなのか。


海外のスーパーはどこもコストコ。


そんなかんやでさらにパンやソーセージなどの食材を買って、ペンションに戻って作ったのはナポリタン!
安藤が作ってくれました。美味しそう!いただきます!

お味は…、



コバシ『…んー、甘いね。そしてケミカルな味がする』


近藤『…幼稚園のお弁当に入ってそうな感じの味だね(要は甘い)』


作ってもらった手前、ストレートにまずいとは言えないのだが、とりあえずまずい。

その場の一同、美味しいという言葉が出ない。だが、すぐに分析が始まる。


安藤『バターを入れすぎたから甘いのでは?』

とっくん、カズ『ケキャップが原因のような気が…』

比企野『俺もケキャップだと思う』


検証の結果、戦犯はケキャップだと判明。ケキャップを舐めてみると、とにかく甘い、そしてケミカルな後味。薬品臭い。
さらに、ナポリタンに入れたソーセージが全く美味しくない。歯ごたえがなくてムニムニしている。シャウエッセンのほうが100倍美味しいわ。
さらに牛乳を飲んでみると、こちらも味が薄い。水で割ってあるんじゃないかって疑うレベルで薄い。


この時点で、ニュージーに来て美味しいものを未だに一つも見出すことができていない。

肉も牛乳もアウトなんて、大丈夫かニュージー…。イメージが崩れていく。


--------------------------------------------------------------------


3/3
朝7:00。試泳。

レースが始まるのは朝の7時。同じ時間に試泳をしようということで、レース会場のタウポ湖へ向かう。

湖畔にはこんなモニュメントがあり、遊んだり。


スイム、バイク、ラン

顔を付け加えて、完成。


ちなみに、試泳するには、会場でウェットを洗わなくてはなりません。
ウェットに付着した外来の菌や生物が繁殖して生態系を壊すのを防ぐためらしい(現に外来種と思われる藻が大量に確認されたそうだ)。
薬剤らしきものが入ったバケツ的なもの


に漬けて、よく洗う。受付のおざさんに「Good!」と何気に褒められる。

そして、試泳。
水温は大体例年20度を下回るらしい。関カレかよ...と思うが、思ったより冷たくない。今年はどうやらいつもより水温が高いらしい。むしろ、泳ぎ始めるとちょうどいいくらいの水温。
 
そして何よりも水が綺麗綺麗綺麗!!

底まで見えるし、スーパー綺麗(うまく伝えられなくすみません)。
このタウポ湖で行われるアイアンマンニュージーランド、水質は世界のアイアンマンレースの中でもトップクラスだそうだ。

試泳会場では、アイアンマンのバイクボトルやタオル、水、日焼け止めなどが配布されていて、スタッフの人がどんどんくれた。Thank youしか言えない僕ら。たまに「ありがとうございます」とかうっかり日本語が出るレベル。海外で生きていけるのか、僕ら。


ボトルやタオルなどが配られています(伝わりづらいけど)


試泳を終えると、その後受付へ。
ウェットを洗浄した時にもらえる証明書がないと中に入れないので要注意。


受付には長蛇の列。
受付では、トラバックがもらえるのだが、これには自分のレース番号と名前が印字されている。かっこいい。

1時間くらい待ってようやく自分の番。ワクワク

受付のボランティアのおばちゃんがにこやかに対応してくれる。




僕       自分の名前(KONDO)を告げる。


おばちゃん 端末を操作する。該当者なし。


僕        ああ、外国では姓と名が逆だった。ファーストネームはAKIHIKOだった。


おばちゃん 再び端末を操作する。該当者なし。


僕        名前ではなくレースナンバーを告げる。このあたりから少しテンパり始める。


おばちゃん 怪訝な顔で端末を操作。該当者、なし。


僕       ....


おばちゃん .....




エントリーできていない....?


なぜ???


焦る僕。しかし、ここで救世主が現れる。日本人スタッフのミキさんという方である。ニュージーランドのアイアンマンは日本人選手が多く、日本人選手をサポートするために、日本人スタッフとしてお手伝いしてくださっているそうだ。なんとありがたいことなのだろうか...。

どうやら、僕はエントリー時にローマ字ではなく漢字で登録してしまったため、端末からはじかれてしまったらしい。



ここでひとつ言い訳というか弁解をさせて下さい。

近藤、お前、英語の入力欄なのに漢字で入力したのかよ、と思った方、これには事情があるのです。
実は、アイアンマンにエントリーする時、アイアンマンのホームページを開いたのですが、端の「Language」というタブがあり、そこを押すと言語が選択でき、「日本語」を選ぶとホームページが全て日本語になったんです。もちろん、エントリーフォームも。英語に自信のない人なら日本語を選びますよね?

従って、「姓:近藤」「名前:彰彦」と打ち込んだのです。決して、「First name :彰彦」「Family name:近藤」とは入力していません!



という事情があり、名前が識別されなかった僕。
ミキさんのおかげもあり、無事に何とか受付はパスしたが、受け取ったトラバックは...
















??って何やねん。


ダサい。


全然かっこよくない。



同じミスをとっくん、カズ、比企野も犯していて、皆この時点でテンションガタ落ち。

ちなみに安藤とこバシはちゃんと名前入り。はあ....。


しかし、この後ちょっとかなり嬉しい出来事が。
哀れな僕たちに気づいてくれたのか、キャンペーンガールの美女2人が来てくれて写真撮影。






両脇に挟まれて、いや、満面の笑みですね。
羨ましいだろ、安藤。



無事かどうかは分からないけれど、どうにか受付はクリアし、午後はバイクコースの下見。暑いし、アップダウン多いし。序盤の激坂にビビる僕。あと、道路に謎のピンのようなものがそこらじゅうに突き出ていてビビった(後にただのプラスチックだかゴムだかと判明する)。


そして、夜はウェルカムパーティ。盛大なハカのお出迎えと炭水化物の食事の山。カーボパーティ、恐るべし。世界各国の炭水化物料理が並んでいて、日本食代表ではそばがありました。
パーティの後は、競技説明会が開かれるのですが、英語で何言ってるのか分からない。しかし、全体の終わりには日本語でも説明会があり、日本人、高待遇を受けすぎなんじゃないかとも思うが、これで不安はほとんど減った。ありがとうございます。もっと英語得意になろうと誓った瞬間でもあった。


宿に帰ってからは、明日のバイクセットに向けての準備。
ナンバーステッカーを貼ったり、ショッツをバイクにつけたり。
ちなみに、僕のバイクはこんな感じ。


実際にバイクに乗ってみるとショッツが内股にあたって痛かったので二段重ねに貼り直しました。



ショッツがこのように貼られた光景を見て、まるで片道分のガソリンを積んだ飛行機のようだ....と、永遠の0を思い浮かべてしまった。

そして、同時にこうも思ったのだった。


明後日のレース、必ず生きて帰ってくる、と。


--------------------------------------------------------------------

3/4

朝、昨日に引き続き、再び試泳へ。

スイム会場でウェットを着ていると、スタッフの人に何やら強めの口調で注意される。




しかし、



ちょっと何言ってるのかよく分からない。




いや、辛うじて、「君達、ウェットちゃんと洗ったの?洗わなくちゃだめよ」的なことを言っているのだと理解できたが、返答に詰まる。えっと、こういう時は何て言えばいいんだろう、現在完了だっけ、I hAVE already ...、言葉が出てこない。どうすれば--



比企野「Yesterday, I washed.Finished.」



スタッフ「Oh,sorry.OK」



終了。




比企野イングリッシュ、炸裂。こんな簡単な英語で通じるのか。あっけに取られる5人。というか、この光景、どこかで見たな、、、ーー出川だ。

某世界の果てまでナントカという番組で芸人出川が繰り出す出川イングリッシュ。
めちゃくちゃな単語でも意外と通じる。
英語は言葉ではない、コミュニケーションであるーー比企野と出川からそう学んだ瞬間だった。

その後も比企野イングリッシュは留まることを知らない。


試泳に来たのにタオルを忘れてきた比企野。


比企野「タオル、もらってくるわ~」


タオルを無料で配布しているスタッフのところへ行き、何やら話している比企野ーーいや出川。タオルをゲットする。しかも、すぐには帰ってこないで、いろいろな人に話しかけ、水とかケロッグ(コーンフレーク)とかももらってくる。

前から少し変な奴だと思っていたが、それは間違いだった。


こいつ、だいぶ変な奴だった。(自炊で、オーブンでパンを上手に焼く技術を習得し、ジャムおじさんならぬ比企おじさん、と呼ばれるに至った経緯もある。)


比企おじさん。



完全に出川並みのずうずうしさも発揮している。出川は、タオル、ケロッグ、水をもらって帰ってきたのだった。



こうして僕らは、比企野と出川の偉大さを知り、英語は適当に喋ればよいと学んだ。
(ちなみに、カズがこの後チェーンオイルを買いに行って言葉に詰まった時、隣にいた比企野が素早く店員に、Which is best chane oil?、と尋ねたのにはカズは感動せずにはいられなかったそうだ)




そして、バイクセット。バイクとランで使う道具(バイクパンツ、バイクグローブ、サングラス、ランシューなど)をそれぞれバイクギア、ランギアという袋に入れ、バイクセットの際に同時に預ける。
例の???のせいでスムーズにいかない部分もあったが、比企野イングリッシュのおかげで英語へに抵抗はもうほとんどない。
自分の知っている、いかに簡単な単語を使うか。英語はただそれだけでだいぶうまく通じた。




こうして、全ての準備が終わった。





決戦は明日。





長い、長い一日となるだろう。

絶対完走したいし、楽しみたい。



いい一日にしよう。





書き疲れて終わりのほうがだいぶいい加減な端折り方をしていますがお許し下さい。
次回はいよいよレース編。
ご期待あれ。


ー次回に続くー


4 件のコメント:

  1. 早くスタートしてくれ!、

    返信削除
  2. 宮部教官。。比企おじさんと話してみたいです。

    返信削除
  3. まじで羨ましかったよー!!!

    返信削除
  4. 近藤さんの文章、かなり面白いです。
    仕事中に爆笑してしまいました。
    次回パート3を楽しみにしています。

    近藤さんのファンより

    返信削除